2008 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠・出産に関する安全性と快適さの確保を目指したストレス評価指標の開発
Project/Area Number |
19791686
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
関塚 真美 Kanazawa University, 保健学系, 助教 (60334786)
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Keywords | 妊産褥婦 / ストレス / 安全性 / 快適性 / 指標 |
Research Abstract |
[概要]本プロジェクトの目的は「妊産婦のストレスを適切に評価できる指標の開発」及び「ストレスが高い女性に対するケア指針の考案」である。研究目的のうち本年度は昨年度に引き続き「妊産婦のストレスを適切に評価できる指標の開発」に関して、妊婦のストレス状態と妊娠期・産後における精神的健康の関連について分析した。調査は妊娠前半期・妊娠後半期・産後に行い、ストレス対処能力の指標としてSense of Coherence日本語版(以下SOC)を含む質問紙調査と、ストレス状態を客観的に評価する指標として血清中分泌型免疫グロブリンA(以下s-IgA)を測定した。成果については国内および海外の学会にて発表した。 [結果]妊娠前半期のストレス状態と妊娠期における精神的健康の関連では、妊娠前半期のSOC低値群やs-IgA低値群では、それぞれ高値群に比較してうつ得点が高かった(p<0.01、p<0.05)。また、産後1か月のEPDS(Edinburgh Posmatal Depression Scale)得点に影響する因子として、妊娠前半期のSOCが抽出され、SOCが低いことと産後うつの関連が示唆された。 [考察]妊娠前半期におけるストレス状態やストレス対処能力と妊娠期・産後のうつ傾向の関連が明らかになったことから、ストレスが高い妊婦を妊娠早期からケアしていく重要性が示唆された。また、妊婦のストレスを評価する指標としてSOCやs-IgAの有用性が示唆された。
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