2009 Fiscal Year Annual Research Report
幼児の午睡と生体リズムとの関連―単相睡眠への移行までの追跡調査―
Project/Area Number |
19791687
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
津田 朗子 Kanazawa Medical University, 看護学部, 准教授 (40272984)
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Keywords | 小児看護学 / 生体リズム / 子ども / 午睡 |
Research Abstract |
近年の夜型化した生活が子どもの生体リズムの形成過程を阻害することがないよう、本研究は、幼児期の子どもの生体リズムと生活習慣を長期間にわたり調査し、生体リズムと生活要因との関連性を縦断的に分析することで、生体リズムの発達における関連要因の影響を明らかにすることを目的としている。 生体リズムの形成過程にある1~6歳の幼児を対象に、平成19~21年度にわたり5月から12月までの土曜日、日曜日、祝日を除く8ヶ月間、1日5回の腋窩温測定と生活習慣を調査した。 今年度は、全てのデータの入力と分析を終了した。 幼児の起床時刻は平均6時48分、就寝時刻は平均21時34分で、いずれも2002年度に行った調査よりも約30分早くなっていた。また、起床時刻は夏季に比べ冬季では有意に遅く、幼児も成人と同様に睡眠リズムが地球環境の影響を受けていた。一方、就寝時刻には季節による差は見られず、幼児においては人為的な養育環境の影響を受けやすいことが示唆された。4歳児では9月~12月にかけての単相睡眠への移行に伴い就寝時刻が早くなっていた。個人における朝食摂取状況の変化はほとんどみられなかった。 体温リズムが良好な者は約5割で、年齢が高いほどその割合は高かったが、月齢が進んでも良好な変化が見られない者もあった。体温リズムの良否には就寝時刻、起床時刻、児の月齢が関連し、同調の者は就寝時刻、起床時刻が早く、月齢が高かった。 縦断的分析の結果、体温リズムの良否にはその時点での生活要因がより強く関連しているが、長期間の生活要因も影響しており、幼少期からの悪い生活習慣の影響は期間が長くなるほど、年齢が小さいほど大きくなる可能性が示唆された。
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