2008 Fiscal Year Annual Research Report
がんと糖尿病を併せ持つ高齢患者のセルフケア支援プログラムの開発
Project/Area Number |
19791688
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
麻生 佳愛 University of Fukui, 医学部, 助教 (80362036)
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Keywords | 看護学 / 慢性病看護学 / 高齢者看護 / がん看護 / 糖尿病看護 |
Research Abstract |
平成20年度は、がんと糖尿病を併せもつ高齢者へのセルフケア支援プログラムの策定と支援の実施を目的とし、以下のことを実施した。 1. がんと糖尿病を併せ持つ高齢患者に対するセルフケア支援プログラム案作成 4-6月、研究者が平成19年までに実施した基礎的研究の結果および文献的考察に基づき、セルフケア支援プログラム案を作成した。7-8月、がん化学療法認定看護師、糖尿病認定看護師、がんと糖尿病を併せ持つ高齢患者2名から支援プログラムの内容に関する意見・アドバイスを得た。それらを参考に、プログラムの内容は、(1)対話を通して生活の状況および身体的・精神的・社会的状況を把握する、(2)対象のがん・糖尿病の捉え方、行っているセルフケアの意図について傾聴する、(3)対象の行っているセルフケアを支持しつつ、不快な症状等課題がある場合は改善策を対象者と共に考える、(4)対象が関心をもつデータ等の情報を視覚的に提示し共に振り返る、の4点とした。 2. がんと糖尿病を併せ持つ高齢者のセルフケアを支援する看護援助の実施 9月-平成21年3月、F県内の総合病院外来に通院中のがんと糖尿病を併せ持つ65歳以上の患者6名の研究参加が得られた。対象は男性4名、女性2名、悪性リンパ腫2名、胃癌、乳癌、肺癌、大腸癌が各1名ずつであった。全員が2型糖尿病であった。プログラムに則って、約半年間に2〜4回、1回10分〜40分の介入を実施した。その結果、血糖コントロールのために行っていたセルフケア行動を、がんを持つ自己の身体にとってよいこととして捉えるようになった者もおり、疾患を併せ持つことを脆弱性としてではなく強みとして支援することも可能であると考えられた。また、症状の出現や治療方法の変更に伴い、新たなセルフケアの獲得が必要になった者が2名おり、併せ持つ疾患の状況をアセスメントして、継続した看護支援が必要であると考えられた。
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Research Products
(1 results)