2008 Fiscal Year Annual Research Report
がん患者の生活再構築に向けてのニーズ-在院日数短縮後の退院時・外来看護のあり方
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19791689
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
福井 里美 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 講師 (20436885)
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Keywords | がん看護 / 外来看護 / ソーシャルサポート / コーピングスタイル |
Research Abstract |
本研究の目的は、在院日数の短縮化によって従来入院中に行われていた検査や治療、退院後の生活に必要な支援が、外来で患者にとって必要十分に行われているか、外来がん看護の実態を把握しこ外来通院をしながら地域で生活するがん患者の支援のために、患者がどのような医療および心理社会的支援を必要としているのからかここである。 2年目である今年度は、子宮がんまたは卵巣がんで手術、化学療法、放射線療法の初期治療を受けた女性、そして再発治療を受ける女性の対象を増やし、QOL、コーピンダスタイル、ソーシャルサポートの実際とニーズについて尋ねる面接調査を行った。当該年度は対象患者を初期治療者6名、再発治療者6名が加わり、合計で初期治療群は退院時12名、退院後1〜3月時9名、退院6〜12時4名、再発治療群は退院時6名退院後1〜3月時6名の面接を行った。その結果、QOL指標は、FACT-O合計点の平均値は退院時が最も低く、徐々に上昇する心身の回復過程を示した。POMS短縮版による情緒状態は有意な変化は示されなかった。しかしながら、初発、再発にかかわらず、化学療法を継続している患者は疲労感が高い傾向が見られた。コーピングスタイルのMBSSの平均値は、モニター尺度8.0(SD=2.3)、プランター尺度3.1(SD=1.8)とMiller(1996)などの先行研究と類似していた。モニター尺度の平均値から、モニター9名はブランターと9名とされた。退院時の疲労感にのみT検定でモニターよりブランターの疲労感が有意に低いとされた。サポートは、入院中、外来でも、主治医、病棟看護師からの情報提供のみで、栄養士や薬剤師からの情報提供や支援を受けておらず、要望もほとんどなかった。予測していたほど、サポートニードは聞かれなかった。次年度は退院1年後時点の追跡面接を行い、最終的な分析と論文作成予定である。
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