2009 Fiscal Year Annual Research Report
がん患者の生活再構築に向けてのニーズ-在院日数短縮後の退院時・外来看護のあり方
Project/Area Number |
19791689
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
福井 里美 Tokyo Metropolitan University, 人間健康科学研究科, 准教授 (20436885)
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Keywords | 外来看護 / がん看護 / サポートニーズ / ソーシャルサポート / コーピングスタイル |
Research Abstract |
本研究の目的は、在院日数短縮化、がん診療連携拠点病院設定等の医療行政改革の中で、従来は病棟で行われていた看護師による退院後の生活にむけての準備が、多職種に分担され退院後の外来へと移行した。このような激動の医療現場の中で、がん治療を受けた患者が実際に退院後に必要な支援をどのように受けたか、どのような支援が不足しているのかを明らかにすることである。婦人科がんの初期治療を受けた患者を対象に、初期治療後の退院時(T1)、退院後1から3ヶ月後(T2)、退院半年から1年後(T3)に縦断的に半構造化面接を行った。内容は、情報希求のコーピングスタイルMBSSとQOL指標であるFACIT-0とPOMS日本語短縮版への記入と、前回調査後に医療者および家族、友人、患者仲間等からどのような支援をうけたか、どのような情報、支援が必要であったかを尋ね、許可を得て録音、逐語録を作成した。 最終的にT1は18名(早期11名、進行期7名)、T2は14名(早期9名、進行期5名)、T3は7名(早期4名、進行期3名)の研究協力を得た。T1には、退院後の生活については主に主治医から説明を受け、概ね満足をしていた。手術のみ、または化学療法を受けた患者は、看護師からも情報的サポートを受けていた。T2, T3では、主に主治医から必要な情報とサポートを受けており、さらに情報を主治医、看護師や他職種に求めようとするものはほとんどいなかった。しかしながら、手術後の合併症で排尿障害の自己管理が求められる者は、不安を抱え、確実な解答を得られる窓口がない点や駆け込み寺となるようなところの必要性を語った。また退院後も入院していた病棟の看護師に電話で相談をして助かったとの報告もあった。がん患者数が増加する傾向の中で、主治医、病棟看護師に集中する負担を他部署、他職種の専門職で、効果的かつ効率的に患者をサポートするシステムが必要と考えられた。
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