2008 Fiscal Year Annual Research Report
植込み型除細動器植込み患者とその家族の療養経験の経時的変化に関する研究
Project/Area Number |
19791696
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
齊藤 奈緒 Kobe University, 保健学研究科, 助教 (20403298)
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Keywords | 植込み型除細動器(ICD) / 療養経験 / 質的記述的研究 / 教育的支援 / 包括的リハビリテーション |
Research Abstract |
1. ICD植込み患者の療養経験の概念枠組みの構築 ICD患者への効果的な療養支援体制の構築のためには、看護者による患者の療養経験にそった教育的支援の確立が望まれている。19年度から継続調査している患者の療養経験に関する前向き調査の結果を質的記述的に分析・考察を重ねた。その結果、《不整脈・ICD植込みによる困惑》、《不整脈・ICD/生かされる自分との対峙と確認》《不整脈・ICDと共に生きる》という3つの療養経験の要素が明らかになった。(本結果は、論文発表予定である。)これらの中で特に、患者は日常生活動のに関する関心を強く抱くことが明らかになり、その具体的な内容が得られた。この結果は、包括的リハビリテーションへの示唆として、一般口演および論文発表した。また、患者の療養経験が縦断的な変化については、いまだ縦断調査の途中にある。最終年度である次年度、最終分析を終えることが課題であり、また途中経過の成果については国際学会で発表予定である。 2. ICD植込み患者の心理社会的側面の経時的変化に関する結果・考察 本調査は、療養経験に関する面接調査と共に質問紙によるQOLおよび気分状態の調査を実施している。植込み後1年間の調査が終了した患者10名の、植込み後1年間のQOLと気分状態の推移を分析した。ICD患者は不安が高くうつ状態にあるといわれてきたが、本調査では、これらは比較的良好に推移するが、全ての時期で疲労と混乱がみられ、その結果、活気がなくなることが明らかになった。その背景には、生活活動の調整や活動拡大する時期の気がかりや困惑にうまく対処するための具体的な情報や知識が乏しいことが考えられた。ICD患者の支援では、退院後早期に生活活動調整・拡大のための具体的な情報や不整脈の知識提供が重要であることが示唆されて。この結果については、一般口演を行った。
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Research Products
(4 results)