2009 Fiscal Year Annual Research Report
望まない妊娠をした未婚若年女性の心理・社会的な包括支援プログラムの作成
Project/Area Number |
19791699
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山元 公美子 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 助手 (40363121)
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Keywords | 若年妊娠 |
Research Abstract |
10代で妊娠をした場合、自分自身が成長発達過程にある上に胎児発育という両方のニーズを満たさなければならず、様々な葛藤をするといわれている。10代で妊娠した女性が、妊娠によりどのように生活が変化したかについてその体験を明らかにし、10代の妊婦の心理・社会的側面を考慮した質の高い看護ケアの提供について検討することを目的とし、調査を実施した。 本研究の主旨を説明し同意の得られた、妊娠中の若年妊婦18名を対象に、半構成的面接調査を実施した。研究協力者の許可を得てICレコーダーに録音し、逐語録を作成し、「若年妊娠をした初産婦が、日常生活の中で自身の妊娠に適応していくプロセス」に焦点をあててコーディングを行った。本研究の倫理性は、山口大学大学院医学系研究科保健学専攻の倫理審査委員会にて審査を受け、承認を得た。その結果、若年妊娠をした初産婦が、日常生活の中で自身の妊娠に適応していくプロセスについて、《妊娠に対する喜びと葛藤の混在》、《家族の児の受け入れ準備》、《脆弱な将来的基盤》、《母親としての我慢》、《母親役割意識の未熟》、《母親としての芽生え》の6つのカテゴリーと27の概念が抽出された。若年妊婦の心情を十分に理解し、若年妊婦が自身の妊娠をポジティブに受け止められるよう支援していくことが重要であることが示唆された。 また今年度は、上記調査で協力が得られた若年妊婦が出産を経て1か月経過した時点での継続調査を実施した。10名の直接対面による面接調査と、3名の電話インタビュー調査の協力を得た。調査内容は、自分の分娩に対する感情、現在の育児状況、育児に対する感情、児に対する感情などとし、半構成的面接によって聴取した。「若年妊娠をした初産婦が、育児に適応していくプロセス」に着目してコーディングを行った。その結果、【夜泣きに耐える】、【児の栄養コントロール】、【家族の協力を得る】、【友達からの情報収集】、【欲求の優先】、【新しい家族形成への自覚】他のコードが抽出された。若年妊婦の育児状況を見守りつつ、母親としての自覚を高めていけるような支援が必要である。
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