2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791704
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
末次 美子 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 助教 (70437789)
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Keywords | 生殖看護 / 母親役割獲得過程 / 家族看護 / 母性看護 / 新生児看護 / 乳幼児精神発達 |
Research Abstract |
本研究の目的は、不妊治療後早産した母親の児への思い、自分自身への思い、母子の相互作用を明らかにすることである。不妊治療という影響要因を明らかにするためには、自然妊娠後早産した母親と比較検討する必要があり、本研究対象者は、自然妊娠後早産した母親をも含めることとした。 調査の遂行のため、子どもに対する発達検査の訓練、カウンセリングの訓練を受けた。子どもの発達検査については、発達障害が疑われる子どもに対するテストバッテリーの組み方、子どもの反応の読み取り方、描画を含めた総合的な子どものアセスメントについて、スーパーバイズのもと回数を重ねて研鑽を行った。カウンセリングについては、単に技術の修得のみならず、スーパーバイズのもと自己分析を含めた訓練を行い面接内容の分析の技術を高めた。 上記と並行して、早産を経験した母親と早産児の集団プレイセラピーを参加観察し、母子相互作用場面や、子ども同士の活動場面、母親の子どもへの思いについての予備調査を行った。 早産児の身体的発育や精神発達についての観察を行い、発育遅延状況や、精神発達の経過についての示唆を得た。 母親の認識について、早産児の精神発達に対する母親の認識が、出産体験や、子どもの出生体重の影響を受けていることが示唆された。また、身体的な発育に関しても、母親は妊娠中の異常や、出産時の産科異常の診断の影響を受けていると認識することがあり、直接的に関係することもあるが、母親の出産体験の認識が投影される傾向があることが示唆された。子どもの年齢が上がっても、この影響は継続して認められる傾向にあった。 今後は、対象者の人数を増やし、分析の研鎖・飽和化をはかることが課題である。
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