2008 Fiscal Year Annual Research Report
助産師からみた医療法改正後の助産所開設と医療連携についての課題
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19791711
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Research Institution | The Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
谷口 千絵 The Japanese Red Cross College of Nursing, 看護学部, 准教授 (10349780)
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Keywords | 助産所 / 医療法改正 / 嘱託医 / 連携医療機関 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、8名の助産師にインタビューを実施した。昨年度は東京都およびその近隣の助産師へのインタビューの実施であったが、今年度は、関西圏の助産師ヘンビューした。さらに、助産所を開設した助産師を支援している経験年数の長い助産師1名にもインタビューを実施し、助産所を開設する当事者から得られたデータの理解を深めるための補足的なデータを収集した。 複数の医療機関と連携をとることが可能な東京都と異なり、ある県では、その地域にある唯一の三次医療機関との連携を結ぶ必要がでてきており、その地域の助産師会からの組織的な働きかけをして、医療連携の契約に至っていた。東京都内では、連携医療機関への妊婦健診が必須であったが、ある県では妊婦の情報を伝える必要はなく、緊急搬送時のみ受ける入れる契約になっており、地域の医療資源によって契約内容が異なることが明らかになった。 嘱託医契約に関しては、前年度の8名と同様に、助産師個人の努力によって契約をしていた。地域の産科診療所・病院に嘱託医の依頼をして全て断らた事例もある一方で、助産所運営全般にわたって相談や助言を受ける関係になる事例もあった。助産所と嘱託医および連携医療機関との実質的な連携内容につい開設している助産師が、妊産婦の自宅において産を取り扱う場合は連携医療機関が必ずしも妊産婦のては、画一的ではなかった。助産所と連携医療機関とは地理的に近いことが前提となるが、無床助産所を生活圏にあるとは限らず、医療機関での受診が利用者の負担になる可能性も示唆された。 最終年度となる次年度の課題は、東京都以外の地域の助産師へのインタビューを実施し、医療圏の特徴を捉えて分析することである。
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Research Products
(1 results)