2009 Fiscal Year Annual Research Report
助産師からみた医療法改正後の助産所開設と医療連携についての課題
Project/Area Number |
19791711
|
Research Institution | The Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
谷口 千絵 The Japanese Red Cross College of Nursing, 看護学部, 准教授 (10349780)
|
Keywords | 助産所 / 医療法改正 / 嘱託医 / 連携医療機関 |
Research Abstract |
平成20年度に引き続き、9名の助産師にインタビューを実施した。そのうち、1名から研究参加の辞退があった。3年間で23名の助産師のインタビューデータを蓄積した。今年度は、関西圏の助産所を中心に調査をした。同一県内の複数の助産所のデータから、地域の特性と助産所個別の特性を見出すことが可能となった。 嘱託医契約に関しては、前年度の8名と同様に、助産師個人の努力によって契約をしていた。また、地域の医療機関が助産師を一市民とみなし、市民へのサービルの一環として嘱託連携医療機関の契約を結んでいる例はあったが、大多数は助産師が長年勤務した医療施設との契約であった。助産師の技量を医療施設側が理解しているため、連携の内容についての個別性もみられた。 産科病棟の閉鎖や閉院のため、嘱託医・嘱託医療機関の選択肢が非常に少なく、また、県境に位置する助産所は、隣接する県の医療機関との距離が近いにも関わらず、依頼できない現状もあった。 助産所は、大多数が助産師の自宅を改築しており住職が近接していた。助産所の管理者のみで運営し、分娩時のみ非常勤としてサポートの助産師が一次的に勤務していた。助産師数の少ない県では、このようなサポートをする助産師が充足しておらず、課題となっていた。しかし、助産師数の少ない県においては、病院や教育機関に勤務している助産師との連携は密であった。 助産師は、地域での出産・子育てに貢献すべく助産所を開設しているが、産科病棟の減少や助産師数が少ない地域では、産科病棟の閉鎖は助産所の閉院につながり、地域の母子への保健サービスの低下をまねくことが示唆された。
|
Research Products
(2 results)