2010 Fiscal Year Annual Research Report
わが国の心臓移植患者および移植待機患者とその家族の体験-渡航移植との相違-
Project/Area Number |
19791714
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
坂上 晶代 (森下 晶代) 兵庫大学, 健康科学部, 教授 (40364054)
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Keywords | 看護学 / 心臓移植 / 移植体験 / 患者の体験 / 家族の体験 |
Research Abstract |
平成19年度に実施した質問紙調査の結果に基づき、5組の患者および家族の体験を国内にて面接調査した。平成21年度に実施した数名の患者・家族の面接調査により、参加者は、【心臓をいただいたドナー・家族への感謝】【渡航先で支援してくれた人々への感謝】【日本で支援してくれた人々への感謝】などの感情を抱いていたことが明らかになったが、今年度の面接調査からのデータ分析においても、それ以上のカテゴリーは抽出することはできなかった。したがって、このデータ分析による結果は飽和状態にあると考えられた。さらにいうと、今回の面接の対象者も"日本で脳死臓器提供が増えるように訴えなければいけない"という【社会に対する働きかけの必要性】や、"元気になってお世話になった人へ恩返ししないといけない"という【臓器提供を受けた責任の重さ】などを感じており、これは、海外に渡航して心臓移植を受けた患者やその家族と同様であったが、しいて言うなら、海外に渡航して心臓移植を受けた患者や家族のほうが、その思いは強かった。また、参加者は、平成22年7月から改正臓器移植法が施行されたことに伴い、国内での脳死臓器提供が増えることを切望しており、そのことは、特に、海外で移植を受けざるを得なかった参加者に強く現れていた。 今年度の研究結果および、これまでの4年間にわたる全研究プロセスの研究結果を踏まえて、その成果を平成22年度中に順次、学会等で公表した。特に、平成22年度の日本慢性看護学会のシンポジウムに招聘され、心筋症患者のパワーレスネスについて発表できたことは、この研究の大きな成果であると言える。
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Research Products
(10 results)