2008 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞がん患者の疾病自己管理にむけた患者支援プログラムの構築
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19791715
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
山田 隆子 Okayama Prefectural University, 保健福祉学部, 助教 (60382363)
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Keywords | 肝細胞がん / 疾病受容 / 患者教育 / プログラム構築 / 質的帰納的研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は、肝細胞がん患者の疾病受容過程を明らかにし、疾病受容に沿った疾病自己管理に向けた患者教育プログラムを作成することであった。肝細胞がん患者20名、看護師18名のインタビューによるデータ収集が終了した。肝細胞がん患者のデータからはグラウンデッド・セオリー・アプローチの手法を用い分析を行った。その結果、肝細胞がん患者の疾病受容過程には、5つの時期「慢性肝疾患発症時」「がん発症時」「治療時」「治療変更時」「治療中断時」で構成されており、その中で疾病やがんに対する不安を自身で意味付けし治療に向かうために闘病意欲を奮い立たせるために、さまざまな情報収集を行ったり、対処方法を見出したりするなどの対処行動をとっていることが明らかになった。不安な気持ちと前向きに生きようとする思いが揺れ動く様子が明らかになった。その疾病受容の5つの時期のうち後半4つは、既存理論である「がんサバイバーシップの4つ季節」と一致しており、肝細胞がんの受容過程の理論化可能であると考えられた。5つの時期に沿った患者支援プログラムの原案は作成できた。看護師18名からのデータでは、KJ法を用い、肝細胞がん患者が抱く、疾病受容における様々な課題を明らかにした。その肝細胞がん患者の看護体験についての面接調査を行った結果を踏まえ、さらに分析を進め、患者支援プログラムの精緻化を図るために、さらなる分析を進めている。
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