2010 Fiscal Year Annual Research Report
地域子育て支援センターにおける看護ケア提供モデルに関する研究
Project/Area Number |
19791719
|
Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
吉川 未桜 福岡県立大学, 看護学部, 助教 (40341523)
|
Keywords | 子育て支援 / 看護 / 支援モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は,子育て支援センターにおける看護職の機能と専門性の明確化,看護モデルの作成である。今年度は,同意を得た全国の子育て支援センター看護職経験者6名に半構成的面接を実施し,逐語録化したデータを分析した。その結果,子育て支援センターの看護職は,いつでもいる親しみやすい看護職として居心地のよい安心できる空間を作り,遊びの中で親子の異常の早期発見に努めていた。また,母親の傍に寄り添って話を聞き,決して否定的な言葉はかけず母親の気持ちに賛同し,自然なコミュニケーションの中から子育てに対する思いや生活状況などを情報収集していた。子どもの異常を疑った時や相談への対応時は,知識を押しつける指導は行わず,なぜそうなっているのか生活要因をアセスメントしたり,母親のニーズや心の中の結論を引き出したりして,共に対処法を考えていた。質問への即答は避け,親同士をつなげて井戸端会議を行うなど,子育てを共に考え,母親の子育てに自信ができるまでの試行錯誤を支援していた。子育て支援センターの看護職は,子育て支援者としてのコンピテンシー要素を身につけた上で,常に子育て中の母親たちと同じ目線に立つ看護職として経時的に観察・アセスメントを行い,母親が子育てに適応できるように見守りと手助けの範囲を見極めてサポートするという看護の視点を取り入れた子育て支援を行っていることが明らかとなった。 同時に,病気・けが・命に関わることなど保健医療の相談や指導は看護職が責任をもち,正確で最新の情報を母親が生活や心身の状況に合わせて確実に対処できるように具体的に伝達されていた。感染症対策やけが・けいれん時の救急対応なども看護職独自の専門的な活動として行われていた。また,子育て支援センターの看護職として他の専門機関の職種(小児科医・保健師・保育士など)との協力体制を自分の足でアクティブにつなげていく地域ネットワーク作りや,共に働く他専門職を尊重し協力し合う協働も重要な役割であった。
|