2008 Fiscal Year Annual Research Report
終末期壮老年がん患者が自らの生死をデザインする過程を支援する看護ケア方法論の創出
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19791720
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Research Institution | Miyazaki Prefectual Nursing University |
Principal Investigator |
高木 真理 Miyazaki Prefectual Nursing University, 看護学部, 助教 (80341535)
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Keywords | 看護学 / 終末期 / 壮老年期がん患者 / パートナーシップ / 看護ケア方法論 |
Research Abstract |
本研究の目的は、M.Newmanの健康の理論に基づいて、人生の完結期を生きる終末期壮・老年期がん患者が、自分の生に意味を見出し、死と向き合いながら、自らの"生と死をデザインする過程"を支援できるような、新しい看護ケアの方法論を創出することである。3年間計画の2年目にあたる今年度の目標は、昨年度の研究成果、すなわち、患者が"自己の生と死をデザインする"過程を支援する看護ケアの抽出結果を国内の学会で発表し、学術的な評価と示唆を得ること、および、作成した本看護ケアのガイドライン(案)に基づいて実践を試み、ガイドラインの有効性の検証、および修正を行うことであった。 昨年度の研究成果は、がん看護の実践家が多く集まる学会で発表した。壮老年がん患者が死に直面しながらも、最期の時まで自らの生をデザインしていく過程を支援する、パートナーシップに基づく看護ケアを構成する4つの局面、`患者と看護師のゆるぎない関係性の創出(局面1)'、'患者の自己像が転換され、"いま"を生きる自分を受け入れることへの支援(局面2)'、'繰り返し揺れ動く患者に寄り添い、"いま"を生きることへの揺るがぬ支援(局面3)'、'人生の意味を悟り、納得と満足に満ちたすべての調和への支援(局面4)'に沿い、各局面における看護の性質を実践のガイドラインとして提示した。会場からは、実践を希望する看護師らから多くの質問があり、ガイドラインとしてより丁寧に表現するべきポイントなど、修正を要する点が明確になった。 ガイドライン(案)の検証は、実践を希望する緩和ケア病棟の看護師の協力を得て実施した。看護師は患者が自ら生死をデザインする看護ケアを実践することができ、ガイドラインは有効であることがわかった。特に、患者との関係性を結ぶ過程を導く局面1が重要であることがわかり、修正を繰り返した。その他、更に説明が必要なポイントが明確になり、最終年度である次年度は、今年度の成果を踏まえて修正を追加し、ガイドラインとして成熟させる課題が明確になった。
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