2009 Fiscal Year Annual Research Report
終末期壮老年がん患者が自らの生死をデザインする過程を支援する看護ケア方法論の創出
Project/Area Number |
19791720
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
高木 真理 Musashino University, 看護学部, 講師 (80341535)
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Keywords | 看護学 / 終末期 / 壮老年期がん患者 / パートナーシップ / 看護ケア方法論 |
Research Abstract |
本研究の全体構想は、M.Newmanの健康の理論に基づいて、人生の完結期を生きる終末期壮・老年期がん患者が、自分の生に意味を見出し、死と向き合いながら、自らの"生と死をデザインする過程"を支援する、新しい看護ケアの方法論を創出することであった。最終年度にあたる本年度の目標は、昨年度実施した看護ケアのガイドライン(案)の検証結果、および学会等の場でのディスカッションを踏まえてガイドラインの修正を追加し、'終末期壮老年がん患者が自らの生死をデザインする過程を支援する看護ケア方法論'として成熟させ、その社会化を図ることであった。 まず、平成19年度に明らかにした本看護ケアのガイドライン(案)の抽出過程、および、平成20年度に実施した、ガイドライン(案)の検証過程について、M.Newman主宰の「M.Newmanの健康の理論研究者のダイアログ(2009年8月テネシー州メンフィス市で開催)」の場で発表した。M.Newman理論の学識者との討議を行った結果、本看護ケアのガイドラインを活用した実践が、壮・老年期がん患者が主体的に人生の完結期を生きることを支援する看護として意義深いことが認められ、ガイドライン(案)の有用性が確認された。討議の焦点は、ガイドライン(案)活用の際、M.Newmanの理論を熟知した支援者が、どのように実践するナースをサポートすることが必要であろうかということであった。支援者は、自らがよいケアを実践しモデルを示すと共に、ガイドラインを活用するナースの関わりの過程で、理論的な観点からガイドラインの意味を紐解き支援することを繰り返す必要性等が示唆された。このようなサポートの必要性とその内容をガイドラインに付記し、「終末期壮老年がん患者が自らの生死をデザインする過程を支援する看護ケア方法論」とした。 次に、本研究の成果としてM.Newmanの健康の理論の実践への適用という観点から、ナースと共にケーススタディとして論文にまとめた。なるべく多くの臨床ナースの目に触れることを期待し、実践者が多く購読している雑誌を選んで投稿し掲載された。今後は、ガイドラインの修正によってさらに発展した看護ケアの成果について社会化を目指していく予定である。その前段階として、終末期ケアに携わる医療者が多く集まる学術集会に演題を応募し、採択され、今年の学術集会で発表する予定である。
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