2007 Fiscal Year Annual Research Report
在宅療養に移行する脳血管障害患者のための服薬管理支援プログラムの開発
Project/Area Number |
19791721
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
ブリッジ 志保 International University of Health and Welfare, 保健医療学部, 講師 (90292961)
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Keywords | 脳血管障害患者 / 服薬管理 / 在宅 |
Research Abstract |
平成19年度は、脳血管障害患者の在宅における服薬管理の現状を明らかにし、服薬管理支援プログラムに必要な要素を明らかにすることを目的として、回復期リハビリテーション病床から在宅に退院した患者で、脳血管疾患を診断された者とその家族を対象とし面接による調査を行なった。調査対象は計6名で、平均年齢は68.5歳、平均疾病罹患年数は1.75年であった。ADLについて全介助1事例、部分介助5事例であった。5事例において高血圧既往があり、降圧薬を含めた平均内服薬数は12種類/日であった。全事例において家族介護者が内服薬の準備、開封をし、水と共に調査対象の前に準備することにより、呑み忘れの防止を図っていた。さらに全事例において、1ケ月に1度は医師の診察を受けており、必要に応じて血液検査などの評価を行うが、これについては医師に任せているとのことであった。全事例において、抗癲癇薬あるいは抗血栓薬などの内服があるが、これらの作用・副作用に伴う緊急事態については知識・経験がないとのことであった。しかし、6事例中2事例において療養中に転倒を起こしており、入院加療を受けるなどしている。また、2事例は糖尿病を持っており、共に厳格なインシュリン療法を実施しているが、介護者の全介助による。介護者がこれらを請け負うことが出来ない場合、ヘルパーなどを利用し、交換ノートなどを用いて情報の共有化を図っているとのことであった。いずれの事例においても、介護者の時間的拘束、責任、精神的負担感についての訴えが多く聞かれた。 以上のことから、服薬管理支援においては、脳血管障害患者のセルフケア能力の査定、アドヒアランスの評価と共に、継続的介護の有無や程度と、定期的な薬物作用モニタリングの方法、社会的支援の活用などを重要因子として取り入れ、さらに合併症などに配慮した具体的なプログラムが必要であることが示唆された。
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