2007 Fiscal Year Annual Research Report
乳がん患者のがんの認知プロセスと関連要因に関する研究
Project/Area Number |
19791723
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Research Institution | Gumma Paz College |
Principal Investigator |
萩原 英子 Gumma Paz College, 保健科学部・看護学科, 助手 (40438776)
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Keywords | 乳がん / 認知プロセス / 関連要因 |
Research Abstract |
本研究の目的は、乳がん患者が乳房の異常に気付いた時点から、どのような過程を経て乳がんであることを認知、理解し、治療開始に至っているのかを明らかにすることと、乳がん患者の認知過程において、影響を及ぼしている要因について明らかにすることにより、がんの適応を促進する看護援助のあり方について明らかにすることである。今年度の目標は以下の2点とし、調査を実施した。 1.認知に関する研究文献分析の実施 乳がんの認知について、医学中央雑誌の検索サイトを活用し、「乳がん」「認知」「看護」をキーワードとして検索した結果33件の文献が抽出され、同様にPub Medを用いて検索した結果21件の文献が抽出された。乳がん患者に関連した研究では、看護師の関わりやケア、情報、ストレスの認知に関する研究はみられるものの、「乳がんであること」に特化し、どのような過程を経てがんを認知したのかという観点からの研究はほとんどみられなかった。しかし、患者の心理的適応を考察する上で、患者の疾病の認知は重要な役割を担う。よって本研究の意義を再確認する結果となった。今後は更に文献レビューを継続し、認知プロセスに影響する要因を検討するための資料とする予定である。 2.乳がん患者のがんの認知に関する調査の実施 フィールドでの調査に先立ち、がん看護研究の豊富な研究者のスーパーバイズを受け、先行研究を参考に半構成的質問紙を作成した。また、倫理的配慮として、研究実施施設の臨床研究倫理審査専門委員会の審査を受け、承認を得た。調査は、術後に半構成的面接法で実施し、乳房の異常の気付きから、検査、告知、手術という過程における患者のがんの認知について振返りを行った。現在までに5名の面接調査を実施しており、質的帰納的に分析を進めている。今後は調査を継続し、対象者数を増やしていくとともに、分析データからがんの認知プロセスを明らかにし、それに影響する要因を抽出していく予定である。
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