2008 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疾患患児の父親のコーピングに関する研究-コーピング尺度の作成-
Project/Area Number |
19791733
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
納富 史恵 Kurume University, 医学部, 助教 (60421301)
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Keywords | 慢性疾患 / 長期入院 / 父親 / ストレス / コーピング |
Research Abstract |
慢性疾患で入院している子どもを持つ父親が、子どもの入院や入院生活が長期化する中でもたらされるストレスに対してどのようにコーピングしているかを測定するための信頼性と妥当性の高い尺度の開発を行い、父親に対するケアの示唆を得ることを目的として研究を行った。平成20年度は、平成19年度に作成した質問紙(42項目)の信頼性と妥当性の確認のため、全国の大学病院、国立病院機構、500床以上を有する病院からランダムサンプリングした301施設中、研究への同意を得た31施設にアンケート調査を実施し、75名の父親から回収を得た。(回収率27.4%、有効回答率88.2%) 42項目を主成分分析(天井効果、フロア効果のあった変数と、因子負荷量の小さい変数を除く)で解析した結果、23項目7因子に分類できた。第1因子は、「自分にもできることはないかと考えた」など11項目が含まれ<問題への取り組み>と命名した。第2因子は、「あまり深く考えないようにした」など5項目が含まれ<楽観思考>、第3因子は、「病気を信じようとしなかった」など3項目が含まれ<問題からの逃避>、第4因子は、「今までより健康的な生活を送るように努力しようと思った」の1項目で<認知の転換>、第5因子は、「子どもにとって入院体験は貴重な体験であると思った」の1項目で<プラス思考>、第6因子は、「子ども(病児・きょうだい児)に励まされた」の1項目で<ソーシャルサポート>、第7因子は、「なるべく平静を装った」の1項目で<自己統制>と命名した。尺度の信頼性をみるため、クロンバックα係数を用いた結果、総合的に0.701であった。 今回、アンケートの回収率が悪く、1因子の項目数も少なかったため因子ごとのクロンバックα係数をみていくことが出来なかった。その為、今後さらに検討を重ね、尺度の信頼性を高めていく必要があると考えられる。
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Research Products
(1 results)