2007 Fiscal Year Annual Research Report
急性期病院における退院支援専門部署および在宅療養支援のあり方に関する研究
Project/Area Number |
19791738
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森鍵 祐子 Tohoku University, 医学部, 助教 (20431596)
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Keywords | 退院支援 / 在宅療養支援 / 地域連携 / 急性期病院 |
Research Abstract |
今年度は,急性期病院における地域連携および退院支援への取り組み状況を明らかすることを目的として全国調査を実施した。 全国の救急告示指定を受けており,かつ一般病床数200床以上の1210病院の看護部門責任者を対象として,平成19年7月から8月に郵送質問紙調査を行い,458病院から回答が得られた(回答率37.9%)。回答病院の一般病床数は383.9±190.3床,一般病床の平均在院日数は16.6±4.1日であった。DPCを導入している病院は27.9%,地域連携クリティカルパスを導入している病院は26.9%であった。併設施設・サービスがある病院は64.0%あり,その内訳として訪問看護室・ステーションが45.9%と最も多かった。地域連携部署は97.8%に,退院支援部署は51.7%の病院に設置されていた。DPCを導入している病院ならびに地域連携クリティカルパスを導入している病院の平均在院日数は,導入していない病院に比し有意に短いことが示された。また看護職が中心となって退院支援を行っている病院の平均在院日数は,他職種が中心となって退院支援を行っている病院に比し有意に短いことが示された。 これらから,急性期病院において地域連携および退院支援の体制整備が進められ,在宅医療の充実が図られていること,ならびに診療報酬加算が平均在院日数に大きく影響し,医療機能の適切な分化および連携につながっていることが推察された。また看護職による退院支援の効果のひとつとして,平均在院日数の短縮があげられると推察された。今後は,急性期病院の退院支援において看護職が担っている役割および在宅療養支援の現状を明らかにしていくことが課題である。
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