2008 Fiscal Year Annual Research Report
急性期病院における退院支援専門部署および在宅療養支援のあり方に関する研究
Project/Area Number |
19791738
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森鍵 祐子 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 助教 (20431596)
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Keywords | 退院支援 / 在宅療養支援 / 地域連携 / 急性期病院 |
Research Abstract |
今年度は, 急性期病院において看護職が行っている退院支援および在宅療養支援の実態を明らかにすることを目的に調査を行った。 昨年度の調査に協力が得られた447病院の看護部門責任者または退院支援担当の看護職を対象として郵送質問紙調査を行い, 197病院から回答が得られ(回答率44.1%), 無効回答を除いた193病院を分析対象とした(有効回答率43.2%)。退院支援担当の看護職を配置している病院は64.8%であり, 1病院あたりの退院支援担当の看護職数は1.7±2.0人であった。在宅療養または訪問看護の導入が決定する前から訪問看護職が退院支援に介入している病院は73.6%であった。看護職へ退院支援教育を行っている病院は55.5%であった。患者の退院先別に事例を設定し, 事例別の退院支援の中心職種を尋ねたところ, 医療依存度の高い事例およびターミナル期の事例が在宅療養へ移行する場合, 退院支援担当の看護職が最も退院支援の中心となっていた。転院・施設入所する事例の場合は, ソーシャルワーカーが退院支援の中心となっていた。 これらから, 急性期病院において退院支援担当の看護職の配置が進み, 退院支援ならびに在宅療養支援の充実化が図られていると推察された。しかし, 看護職への退院支援教育が行われていない病院が4割を占めることから, 急性期病院における退院支援教育は十分ではないといえる。また, 看護職は退院後も在宅で医療やケアを必要とする患者の退院支援の中心となっていることが示された。これより, 多職種が協働する退院支援において, 看護職は医療と生活の両面から患者を支援し, 在宅移行の重要な担い手になっていると推察された。
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