2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791740
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
辻村 弘美 Gunma University, 医学部, 助教 (70375541)
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Keywords | 認知症 / 高齢者 / おだやか / 尺度開発 |
Research Abstract |
本研究の目的は、認知症高齢者のためのおだやかスケールを開発し、その使用の可能性を検討することである。3領域24項目の「おだやかスケール」を作成、その領域と項目数は、「周囲との交流」8項目、「自分らしさの発揮」7項目、「満足・活気」5項目であった。本年度はさらに信頼性を高めるために、このおだやかスケール」を使用し評価者間の一致率を調査した。対象は、高齢者ケア施設に入居中の認知症高齢者39名、平均年齢は84.4歳、男女内訳は男性6名, 女性33名、介護度の平均は2.7であった。また、認知症高齢者の生活の状況を調査した施設のスタッフは計51名で、介護職が9割以上を占めており、平均経験年数は5.1年であった。24の質問項目ごとの一致度は、30.8%から63.2%であった。これらの結果から一致率が30%代と低い質問項目について、高齢者看護に精通した研究者よりスーパーバイズを受けながら、その内容と表現方法について検討した。内容と表現方法については、認知症のパーソンセンタードケアの著者であるTom Kitwoodの提唱するwell-beingを参考にした。その結果、「周囲との交流」の【食事を楽しみ和やかに摂取する】へ「満足・活気」の【生き生きしている】、【満足している, 満たされているように見える】、【何か楽しめることがある】の4項目を削除し、well-beingの内容を取り入れながら、その他、抽象的な表現をできるだけ客観的に測定しやすい表現にして3領域20項目の最終版「おだやかスケール」を作成した。本研究の成果は、来年度に学術雑誌に投稿する予定である。
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