2009 Fiscal Year Annual Research Report
精神科new long stay患者を対象とする退院支援プログラムの開発
Project/Area Number |
19791742
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Research Institution | Gifu College of Nursing |
Principal Investigator |
石川 かおり Gifu College of Nursing, 看護学部, 准教授 (50282463)
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Keywords | 看護学 / 精神看護学 / 退院支援 / ニューロングステイ |
Research Abstract |
本研究では、入院期間が1~5年(new long stay)の患者を対象として、患者の強みや力量に焦点を当て、それを生かす退院支援看護プログラムの開発を目指している。平成21年度は看護師の視点から患者の退院支援の課題を明らかにすることを目的として聞き取り調査を行った。対象者は長期入院患者の看護を実践している看護師7名(男性3名、女性4名)、50代2名、40代1名、30代4名であった。看護師経験年数は平均13.57年、精神科経験年数は平均9.79年、職位はスタッフ5名、主任2名、師長1名であった。データ収集は半構成的面接法にて実施し、一人あたり平均74.66分であった。得られたデータは質的帰納的に分析した。 入院期間1~5年の患者への退院支援は、「看護問題の捉えやすさ-捉えにくさ」「患者の希望の分かりやすさ-分かりにくさ」「介入後期待する変化の見えやすさ-見えにくさ」といった『退院支援における看護の明示性』と、「患者との関わりやすさ-関わりにくさ」「家族とのつながりやすさ一つながりにくさ」「他職種との連携のとりやすさ-とりにくさ」といった『看護における他者との相互連絡性』に影響を受けていた。また、"退院はまだ無理"と判断する「医師の硬直化」、入院時のイメージが固定化し、本人がいないことで家族が安定し、退院を承認し難いという「家族の硬直化」、それらを受けて"やはり退院は難しい""患者は変化を望んでいない"等の固定観念をもつ「看護師の硬直化」が、患者が自ら退院について訴えることなく、大きな変化も問題もなく病棟で安定している状況、すなわち「患者の硬直化」へと連鎖し、『退院支援が進まない現状の硬直化』を促進していた。一方で、実際に行われている退院支援は、この硬直した状況を「柔軟化する志向性」を伴っていることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)