2009 Fiscal Year Annual Research Report
行政分野で働く保健師のキャリア志向と職務満足度-適材適所の検討-
Project/Area Number |
19791746
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
大倉 美佳 Mie University, 医学部, 助教 (30361984)
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Keywords | 保健師 / 求められる能力 / 職務経験 / 行政機関 / 自己評価 / 重回帰分析 / 質問紙調査 |
Research Abstract |
【目的】本研究の目的は,行政分野で働く保健師(以下,行政保健師とする)に求められる能力の自己評価について,基本属性および職務経験との関連を検討することとした。 【方法】10府県における行政保健師7,170名を対象に,自記式質問紙による郵送調査を実施した。求められる能力に関しては,厚生労働省による地域保健従事者の資質の向上に関する検討会報告書(2003)を参考にした47項目を用い,4件法によって自己評価を求めた。職務評価にはつながらないことを明記した上で無記名とし,大学医学系研究科倫理委員会の審査後に調査を実施した。 【結果】回収数は2,065名(28.8%),有効回答数1,818名(88.0%),行政保健師としての経験年数は14.4±9.5年であった。ステップワイズによる重回帰分析の結果,いずれの項目も行政保健師としての経験年数,組織づくり立ち上げの経験あり,自主グループ立ち上げの経験あり,保健計画策定への関与ありに寄与するところが大きく,求められる能力全体としてはR^2=0.285,基本的な能力はR^2=0.162,行政職員としての能力はR^2=0.320,専門職員としての能力はR^2=0.271であった。 【考察】単に経験年数を積むだけでなく,組織づくりや自主グループの立ち上げあるいは保健計画策定への関与といった住民との協働活動を主体的に行う経験を有することによって,行政職員あるいは専門職員としての能力を発揮し,自らの役割を自覚することにつながると考えられる。さらに,それらの経験は,行政保健師自身が自信を持った実践活動に至るために有効であると考えられる。但し,本研究は自己評価による採点であるため,実践能力の実態や活動の質評価につながる能力評価として示すには限界がある。
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Research Products
(1 results)