2007 Fiscal Year Annual Research Report
認知症高齢者のQOLを高めるための被服行動への介入研究
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19791750
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
温水 理佳 Gifu University, 医学部, 助教 (90402164)
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Keywords | 看護学 / 老化 / 痴呆 / 臨床 |
Research Abstract |
現在の日本では高齢者人口の増加に伴い、認知症高齢者もますます増加していく見込みである。認知症そのものの治療・薬物療法などが確立されていない現状では、その症状の改善や進行を遅らせるために、化粧療法やファッションセラピーなどの非薬物療法が広く行われている。また認知症高齢者へのケアの基本となるのは、その人らしく安心して宏全に暮らせる日常生活への援助であると言われている。これらの観点から認知症高齢煮にとって被服行動がもつ意味は重要であると考える。そこで高齢者が認知症となる以前に自ら行っていた被服行動と、認知症となった後にどのような被服行動をとるようになったのかを調査し、認知症により被服行動に変化があるのかどうか、またそれはどのような違いであるのかを明らかにすることを目的とし研究を行った。 研究対象者は認知症高齢者(20歳以上の家族が回答)と一般高齢者(認知症でない60歳以上の高齢者)で、調査票を用いて調査を行った。調査結果から一般高齢者では、若いときからの被服行動を現在もほぼ変わらず続けていることが分かり、加齢に伴う被服行動の変化はほとんどないと考える。また一般高齢者では性別により被服行動に違いがみられた。認知症高齢者では、着替えや脱衣という行動や、衣服の選択という行動などでは行動に変化がみられたが、着替えの頻度など変化があまりない行動もあることが分かった。この結果から、加齢ではなく認知症となったことで被服行動は影響をうけ行動は変化するが、被服に関する行動のすべてがすぐに影響を受けてしまうのではなく、維持し続けることができる行動があることが示唆され、更に調査が必要であると考える。
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