2009 Fiscal Year Annual Research Report
介護保険施設における高齢者のその人らしい終末期ケアのあり方に関する研究
Project/Area Number |
19791752
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
平松 万由子 Mie University, 医学部, 助教 (50402681)
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Keywords | 高齢者 / 終末期ケア |
Research Abstract |
高齢者が最期を過ごす場は、病院、施設、認知症グループホーム、在宅など多様化しており、どこで最後を迎えることを選択したとしても高齢者終末期ケアの質が問われる状態となりつつある。筆者らは、平成19年度に特養・認知症グループホームにおける終末期ケアの現状についての聴き取り調査を行った。その結果の一部として、施設や事業所の終末期ケアに対する明確な方針の有無が、職員の行うケアや精神面に影響すること、また看取りを行ったあとの職員の振り返りの場が少ないこと、看取り後の職員の精神面へのケアが不十分であることが明らかとなった。特に、認知症グループホームにおいては、今後終末期ケアへの取り組みが期待されるものの、未だ多くの事業所が手探りの状態である。 そこで平成21年度はこれらの結果を踏まえ、個別の事業所(認知症グループホーム)において、終末期ケアの振り返りを行い、その効果の評価を行うことを目的とし、介入調査を行った。方法として調査に同意の得られたA県内の4施設において、認知症グループホームにおける高齢者の終末期ケアについて、振り返りの事例検討を行った。評価としては事例検討前後に各職員に対して質問紙による意識調査を行った。結果、どの事業所も看護職と介護職が参加されたが、振り返りを行うことで普段話し合われることのない他職種の終末期ケアに対する思いを知ることができた事や、熟練したスタッフの語りを新人スタッフが聞くことによる新たな気付きが表出されていた。また、同意が得られた施設では、事例検討の内容を録音し逐語録を作成した上で、振り返りの事例検討が職員の意識に及ぼす影響について、今後内容を帰納的に分析する予定である。
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