2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791754
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 麻揚 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (60336493)
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Keywords | うつ病 / 生活 / 困難感 / 質的研究 / 尺度開発 |
Research Abstract |
本研究の目的は、うつ病患者が感じる生活困難感を測定できる尺度を作成し、その信頼性と妥当性を検証することである。平成19年度は、うつ病患者が生活を送る中で抱える困難感、およびそれを規定している要因を検討し抽出するという目的のもと、研究を行った。 成果として、まず研究者が所属する機関の倫理委員会に研究計画書、説明書、同意書、インタビューガイドを提出し、研究について承認を得た。その後に関連機関に研究依頼を行い、研究協力の同意を得た。関連機関はうつ病患者を対象にした社会復帰施設であり、まずそこでの参加観察を行った。次にその社会復帰施設に通ううつ病患者に研究協力の依頼をし、研究の参加に同意の得られた4名に面接調査を行った。面接はインタビューガイドをもとにし、半構成化面接で行った。面接調査では、うつ病患者が生活を送る中で抱える困難感、およびそれに影響していることがらについて把握するように努めた。インタビュー内容は、対象者の同意のもとテープに録音した。そして録音したインタビュー内容を逐語録に起こした。現在その逐語録から「うつ病患者が生活を送る中で抱える困難感」、および「それを規定している要因」について、帰納的にカテゴリーを抽出し、更にデータの再分析とカテゴリーの修正を重ねている段階である。また分析の信頼性妥当性確保のため、質的研究の専門家に研究指導の依頼をしている段階である。また研究結果については、国際学会にて発表の予定である。 今後、帰納的に抽出したカテゴリー内容をもとに、「うつ病患者生活困難感尺度」の質問項目を作成する。また尺度の信頼性妥当性を検証するための調査票を作成し、パイロット・スタディ実施の後、本調査を行い信頼性・妥当性を検討する。
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