2009 Fiscal Year Self-evaluation Report
Development of the scale of difficulties which depressive patients feel in daily life
Project/Area Number |
19791754
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Community health/Gerontological nurisng
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
SUZUKI Mayo Kyoto University, 看護学部, 講師 (60336493)
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Project Period (FY) |
2007 – 2010
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Keywords | 精神看護学 |
Research Abstract |
(1) 研究目的 本研究の目的は、うつ病性障害の患者(以下、うつ病患者とする)が感じる生活困難感を測定できる尺度を作成し、その信頼性と妥当性を検証することである。 (2) 研究の背景 うつ病は生涯有病率が6%とも言われ、精神障害の中でも頻度の高い障害のひとつである。近年の社会変化に伴い、うつ病の有病率はさらに高くなっているとする見解もある。精神疾患や精神医療に対する社会の受け入れ、抗うつ薬の進歩、認知療法の進歩によりうつ病の治療には大きな成果がみられる。しかしながらうつ病患者は特有の認知のゆがみや感情障害が持続するためストレスへの耐性、自己評価が低い。またうつ病の症状は意欲減退、食欲減退、不眠、興味関心の減退であり、これらは生活に密着したものばかりである。そのためうつ病患者が日常生活で感じる困難感は現象としてみえる以上に大きなものであり、復職などのいわゆる社会復帰はもちろん、回復過程にあっても日常生活を送る中で多くの患者が困難をかかえているのが現状である。うつ病患者の日常生活の困難については、国内外の研究を含め、ほとんどの研究が不眠や活動量の低下といった現象を検討することにとどまっており、主観的側面、すなわちうつ病患者の生活困難感を扱った研究はない。 (3) 研究計画・研究内容 (1) 倫理審査の申請 研究の実施にあたり、所属研究機関の倫理審査を受ける。 (2) 「うつ病患者が生活を送る中で抱える困難感」および「困難感を規定している要因」の検討 インタビューガイドを作成し、うつ病患者を対象にインタビューを実施、データ分析を行う。またデータ分析が終了した時点で研究成果発表を行う。 (3) 「うつ病患者生活困難感尺度」質問項目の作成 (2)の検討をもとに、「うつ病患者生活困難感尺度」質問項目(案)を作成する。精神医学、精神保健、精神看護、精神福祉の専門家および当事者に検討を依頼し、質問項目の妥当性を検証する。 (4) 調査の実施 「うつ病患者生活困難感尺度(案)」の信頼性・妥当性の検討をするため、フェイスシートおよび基準関連妥当性・併存妥当性検証のための他尺度を含む調査票を作成する。パイロット・スタディを実施の後に、本調査を実施する。 (5) 尺度の信頼性・妥当性の検討 調査結果をもとに、統計解析ソフトSPSSにて「うつ病患者生活困難感尺度(案)」の信頼性・妥当性の検討を行う。
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