2008 Fiscal Year Annual Research Report
行政保健師による就学前の自閉性発達障害児の子育て支援モデルの開発
Project/Area Number |
19791756
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石井 美由紀 Kobe University, 保健学・研究科, 助教 (40437447)
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Keywords | 保健師 / 自閉性 / 発達障害 / 子ども / 子育て / 支援 |
Research Abstract |
本研究の目的は、就学前の自閉性発達障害児とその保護者を対象とした育児支援教室を通した行政保健師による子育て支援のプロセスモデルを開発することである。 研究協力者は、兵庫県A市に勤務する保健師のうち、A市の軽度発達障害児育児支援教室の運営に携わっており就学前の自閉性発達障害児もしくはその疑いと判定された子どもやその保護者を対し継続的に支援している者9名である。 方法は、神戸大学医学倫理委員会の承認を得て、個別半構成的面接調査をグループインタビューの2段階で実施した。面接調査の内容は逐語録に起こし、質的記述的に分析を行い、それをもとに保健師による支援モデルを試案した。グループインタビューでは、研究協力者8名に集合してもらい、研究者が試案モデルの説明を行った。研究協力者には試案も出るの信頼妥当性の向上に努めた。 本研究の結果、支援プロセスには4つの時期(出会いの時期・関係性を築く時期・つなげる時期・関係性が安定する時期)があり、子どもの成長発達に伴いながら、ケースと保健師は、各時期を行き来しながら関係性を発展させていることが導かれた。また、保健師は各時期における支援上のポイントを意識しながら支援を展開している。さらに保健師は支援プロセスにおいて、対象をみて、対象から困りごとを引き(聞き)出し、対象に気づきを促すかかわりをしている。保健師がアクションを起こすときには、そのタイミングを見極め、必要に応じて、人的・社会的資源を巻き込み、あるいはそこにつなげる。保健師は自身の果たす役割として「つなぎ」を重要と捉えており、そこには「つなげる」「つないでおく」「つながっておく」の要素が含まれている。 なお、本研究で得られた成果の詳細は、科研成果報告書にまとめている。
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Research Products
(1 results)