2008 Fiscal Year Annual Research Report
思春期の健康状態および生活習慣と家族機能との関連:健常高校生の統計的調査
Project/Area Number |
19791758
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
篠原 馨 Okayama University, 大学院・保健学研究科, 助教 (10379688)
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Keywords | 地域看護 / 学校看護 / 生活習慣 / 家族機能 / 高校生 |
Research Abstract |
本研究では、A県A高校に通学する高校生とその保護者を対象とし、高校生の生活習慣と家族機能との関連を明らかにすることを目的とした。 調査は、郵送自記式質問紙により回答を得た、調査期間は平成20年9〜10月に行い調査内容は、高校生では性別、年齢、学年、健康状態、食事、運動、睡眠等の生活習慣である。保護者では年齢、性別、健康状態、食事、運動、睡眠等の生活習慣、家族機能の状況等である。家族機能の状況では、親役割診断尺度を用いた。統計的手法については、親役割診断尺度の6つの各下位項目と高校生の生活習慣に関する各項目との関連についてはpearsonの積率相関係数を用いて検討した。また、平均値の差の検定にはt検定を行い、統計解析にはSPSS Ver. 16 for window統計パッケージを使用した。 調査の回答者は、高校生は182名で回収率89.2%であった。保護者は155名で回収率76.0%であり、このうち回答者が母親である129名(有効回答率63.2%)を本研究の分析対象者とした。結果から、1)母親が、高校生とのコミュニケーションが良好で高校生の行動や考えに理解を示すことは、高校生の体重管理や毎日の朝食の摂取、適切な食事の摂取に関連していることが示唆された。2)母親が、高校生の生活態度に対して細かく何度も注意を与える傾向が高いほど、高校生の睡眠時間が増える傾向であることが示唆されたが、高校生が7〜8時間の適切な睡眠時間を確保することは関連がなかった。3)母親が高校生に新しい経験や知識に適応できるよう支援する傾向が高いほど、高校生の外食利用と毎日朝食を摂取する者が増える傾向であることが示唆された。4)母親が、これまでの子育ての方法について否定的に捉える傾向が少ないほど、高校生は、適切な食事の摂取や睡眠時間の確保ができていたこと等が明らかとなった。
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