2007 Fiscal Year Annual Research Report
地域における母乳育児の継続に影響を与える要因の検討
Project/Area Number |
19791764
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
松村 寛子 Sapporo City University, 看護学部, 助手 (60433140)
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Keywords | 母乳栄養 / 育児支援 / 母子保健 / 地域看護学 / 看護学 |
Research Abstract |
本研究は地域における母親の母乳育児継続ための支援及び母親のQOLを高めるための支援を検討するために,母親が母乳育児を選択する意思決定に影響を与える要因,及び母親の母乳育児の継続に影響を与える要因を主観的健康感とソーシャルサポートに焦点をあて明らかにすることを目的とした。調査は無記名自己記入式質問紙を用いた。調査項目は基本属性,首尾一貫感覚(SOC短縮版13項目),母乳育児の困難感,母乳育児を中断した理由,母乳育児のソーシャルサポート,育児不安尺度,SF36下位尺度活力等であった。本年度実施したプレテスト及び縦断的調査(第1回・第2回)の結果,以下のことが明らかになった。 1)母親が母乳育児を選択する意思決定に影響を与える要因について 母乳を与えている人は「母乳を与えようと自分で決めた」,「出産した病院で母乳の勧めがあった」に肯定的回答が有意に多く,これらの項目が母乳育児の選択に影響していることが示唆された。 2)母親の母乳育児の継続に影響を与える要因について 母乳への関心,母親教室参加経験のある人は母乳を実施している人が有意に多かった。出産後,病院または助産所等から退院後,最も母乳のサポートを必要とした時期に助産師からのサポートを受けられなかった人,家族に母乳育児が評価されていないと感じる人は母乳の実施が少なかった。母親側が母乳育児に日常的メリットを感じること,家族の母乳育児への評価が母乳育児の実施を促す要因となることが示唆された。また,看護職からのサポートの不足が母親の母乳を妨げることが示唆された。 H20年度は,第3回目調査を行う予定である。継続的な調査を行い母乳育児を継続できる個人の要因についてSOC,育児不安得点の推移を含め詳細に検討していく予定である。
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