2008 Fiscal Year Annual Research Report
世代間交流に焦点を当てた高齢者の生活の質とライフスタイルとの関連
Project/Area Number |
19791766
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
萩原 潤 Miyagi University, 看護学部, 准教授 (90347203)
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Keywords | 高齢者 / QOL / 交流 / 生きがい |
Research Abstract |
これまでのインタビューによる調査を踏まえ, 子ども, 孫世代, あるいは居住地域内での交流を中心として考えたQOL質問票を作成した。その質問票を用いて,調査対象の極度の高齢化, 過疎化が進む中山間地域に居住する全住民を対象として質問紙調査を行った。本研究で行った質問紙調査の対象者数は1000人超となり, 個人を対象とした生活習慣に関する調査を行うだけの人的コストをさくことができず, 今後の研究課題となった。 質問紙調査の結果,以下の5点が明らかとなった。(1)農作業に満足していない人(関心を持たない人)もいる,(2)今後の地域内における外部者との交流には満足(期待)している人が多い,(3)その分社会の現状への満足は大きくない,(4)健康に関する満足度は高いが, 将来への不安を抱えている人は多い,(5)生活基盤への満足度は多様性が高い。(1)は中山間地域という地域的な特性の影響が予測されたにもかかわらず, 農作業に対する多様な価値観の存在が明らかとなった。(2),(3)は高齢者がその地域での中心的な存在となってしまい, 今後の地域社会の成立が困難になってしまうことへの懸念が現れたものと考えられる。(4)については高齢化しても生活活動能力の維持されているのなら当該地域の居住し続けている可能性が示唆された。(5)については,車への依存度が高い人とそうでない人で満足度に違いが見られる可能性が考えられた。 今後さらに詳細な解析を行うことに加え, 今年度取得できなかったデータの取得が課題である。
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