2008 Fiscal Year Annual Research Report
急性期治療を受ける高齢患者の睡眠の変化とせん妄発症のプロセスの絡みについての研究
Project/Area Number |
19791769
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
菅原 峰子 Niigata College of Nursing, 看護学部, 助教 (70398353)
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Keywords | 高齢者 / 急性期 / せん妄 / 睡眠 |
Research Abstract |
1. 研究目的 本研究の目的は、急性治療を受ける高齢患者の入院初期の睡眠の変化を明らかにし、せん妄発症の有無および発症プロセスとの相互的な影響、"絡み"について探究することである。20年度は、急性期高齢脳梗塞患者の睡眠の質量を含むせん妄発症を促進する因子および抑制する因子を明らかにすることを目的として研究を実施した。 2. 研究方法 1)対象者 : 3つの脳神経外科専門病院に、脳梗塞発症から1週間以内に入院した65歳以上の高齢者患者とその患者の看護にあたる看護師2)データ収集方法 : 適格基準に合致し、研究協力の得られた高齢脳梗塞患者の入院から1週間のせん妄の評価及びせん妄発症関連因子の項目を看護ケアにあたっている研究協力の得られた看護師の観察を通して収集した。看護師に対して事前にせん妄評価スケールと調査項目の解説を実施した。3)データ収集項目 : せん妄評価には日本語版「NEECHAM混乱・錯乱状態スケール」(以下、スケール)を用い、基本属性などの「せん妄の脆弱性に関する因子」、意識や麻痺、睡眠状況などの身体状態と見当識の確認などの看護ケアの「せん妄発症関連因子」の計30項目である。5)倫理的配慮 : 高齢患者に対して、書面を用いて研究め趣旨と機密性・匿名性、拒否をする権利を説明し、同意を得た。また、研究実施前に倫理審査委員会の承認を得た。 3. 結果 1)対象者の概要 : 20年度は25名の高齢患者からデータを得た。患者の平均年齢は78.8±5.5歳で、男性13名、女性12名であった。9名(36.0%)が右半球、10名(40.0%)が左半球の脳梗塞であった。麻痺を有する患者は16名(64%)m失語症症状は9名(36.0%)、構音障害は11名(44.0%)にみられた。2)せん妄発症率 : 8名(32.0%)がスケール得点19点以下の中等度〜重度のせん妄を発症した。スケール得点が24点以下のせん妄発症は、入院日1目の発症が最多であった。 3)睡眠時間 : 入院1日目から7日目の睡眠時間の平均は、6.9〜7.9時間であった。入院1日目の睡眠時間が短い傾向があり、徐々に延長する傾向がみられた。
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