2008 Fiscal Year Annual Research Report
10代で出産した母親の発達過程-グループアプローチを通じた経年的変化の分析
Project/Area Number |
19791777
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
大川 聡子 Osaka Prefecture University, 看護学部, 助教 (90364033)
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Keywords | 若年妊娠・出産 / グループアプローチ / 育児支援 / ペアレンティング / 国際比較 |
Research Abstract |
本研究は、10代で出産した女性の生活史を通して、出産・育児により10代の母親がどのように成長していくのか、さらに、10代での出産を選択する背景と、ニーズについて経年的なグループアプローチやインタビューなどの情報収集を通じて明らかにし、その結果から、10代の母親をサポートするための母子保健システムのあり方、援助者の支援のあり方について検討することを目的としている。 20年度の概要として、(1) 10代母親グループにおいてのフィールドワーク、(2) 10代の出産をめぐるアメリカ、イギリス、日本の支援の方向性と家族のあり方の差異についての分析(3) イギリスにおける実態調査を行なった。(1) について、10代母親グループにおいてフィールドワークを実施し、10代での出産に至る経緯や、グループ参加による個別事例の変化について事例ごとに分析を行なっている。(2) について、アメリカ、イギリスにおいては10代で出産した親の社会的背景に関する調査が進んでおり、貧困や教育到達度の低さ、社会階層との関連が明らかになっている。しかし、わが国ではこうした社会的背景への視点が乏しいことから、10代の出産をめぐる公的・私的支援について、アメリカ、イギリス、日本を比較し論文を執筆した。(3) について、21年3月にイギリス、ロンドンにおいてParents Matter International Conferenceならびに、Gender and Education Association 7^<th> International Conferenceに参加した。イギリスでは10代の親について、親としてのニーズよりも反社会的行動に注目されることが多く、そのために若者たちに焦点が当てられた研究が少ないと述べられていた。中でも印象に残ったのは、10代の親たちに対してデジタルリテラシーを伝えることの有効性であった。21年度はこれらの内容から、わが国における支援のあり方について考察したい。
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Research Products
(2 results)