2007 Fiscal Year Annual Research Report
病棟看護師が認識している統合失調症患者への退院支援の困難さの分析
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19791784
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
大熊 恵子 St. Luke's College of Nursing, 看護学部, 助教 (40284715)
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Keywords | 看護学 / リハビリテーション / 臨床 / 退院支援 / 統合失調症 |
Research Abstract |
この研究の目的は、長期入院となっている統合失調症患者に対する退院支援について、病棟看護師がどのような困難さを感じているのかを明らかにし、長期入院となっている統合失調症患者への退院促進のための看護援助を考察することである。今年度は、長期入院者への退院援助に関する先行研究やそのための援助、自立支援法との関連性について文献検討を行った。長期入院者への退院援助は事例研究がほとんどであり、病棟看護師が抱える困難さについての研究は見当たらなかった。自立支援法に関する研究については、施行されてからの経過が短いため、解説が多く、法導入後に長期入院者への退院援助にどのような変化があったのか分析した研究は見当たらなかった。長期入院患者への退院援助には、地域でどのような援助が必要なのかを入院中から考えていくことが必要であり、地域の社会資源を利用することが必須である。よって、自立支援法について病棟看護師が理解した上で、患者の生活能力・障害に応じた退院援助が必要であると考えられた。また、今年度は、インタビューガイドを洗練するためのインタビュー予備調査を行った。慢性期閉鎖病棟に勤務する5名の看護師からインタビューの承諾があり、インタビューガイドをもとにインタビューを行った。その結果、インタビューの中で必ず語られたことは、患者の家族への援助の困難さであった。インタビューガイドでは、長期入院となっている理由を質問することにしていたが、その中で、家族の退院に対する思いやその背景についてもインタビューガイドに含める必要があることがわかった。今後は、予備インタビューをさらに分析し、インタビューガイドを洗練させること、また他の病院でのインタビューを行い、傾向の違い等も分析していく予定である。
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