2008 Fiscal Year Annual Research Report
病棟看護師が認識している統合失調症患者への退院支援の困難さの分析
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19791784
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
大熊 恵子 St. Luke's College of Nursing, 看護学部, 助教 (40284715)
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Keywords | 看護学 / リハビリテーション / 臨床 / 退院支援 / 統合失調症 |
Research Abstract |
この研究の目的は、長期入院となっている統合失調症患者に対する退院支援について、病棟看講師がどのような困難さを感じているのかを明らかにし、長期入院となっている統合失調症患者への退院促進のための看護援助を考察することである。今年度は、昨年度に引き続き、インタビュー調査を行い、そのインタビューデータを質的に分析し、病棟看護師が抱えている困難さについてさらに分析を行った。その結果、病棟看護師は、慢性期の統合失調症患者自身の病状の変化をとらえにくく、ホスピタリズム化している患者にどのようなタイミングで退院への動機付けを高めていけばよいのかがわかりにくいこと ; 家族が高齢化しているため、家族の協力が得られにくいこと ; 不安やストレスへのコーピングスキルが未熟であり、その習得に時間がかかってしまうこと ; 退院後の支援体制をどのように構築したらよいのかがわからないこと等が挙げられた。 また、いくつかの学術集会に参加し、精神障害者に対するリハビリテーションにおける病棟看護師の役割についての研究発表を聞く機会を得た。研究発表では、「退院支援において重要なことは看護師だけで展開するのではなく、精神保健福祉士や医師とともに協働して取り組む姿勢が前提にあるが、連携をしていく上での困難があるとの発表がなされ、インタビューの視点として、他職種との連携に関する項目も必要であると考えられた。 来年度はさらにインタビューを行い、分析を深めていくとともに、カテゴリー化を行い、長期入院となっている統合失調症愚者を受け持っている病棟看護師が抱えている困難感を整理し、今後の看護への示唆を考察していく予定である。
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