2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791787
|
Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
白井 裕子 Aichi Medical University, 看護学部, 助教 (40351150)
|
Keywords | ホームレス / 地域看護 / 健康相談 / 健康教育 / 主体的参加 / 血圧測定 / 健康行動 |
Research Abstract |
1.健康支援活動を継続して実施:中核都市Y市で毎週行われている炊き出しの場所で,月2回,健康コーナーとして,野宿生活者自身が自由に血圧測定器や体重計,体脂肪率計などを使用できるような空間を提供した。さらに昨年度,本研究で調査した当事者の健康行動やニーズの内容を踏まえ,病気の予防や健康づくりの方法などを情報提供したり,その人自身が実際に行える方法を,その人の生活習慣や価値観に沿いながら,一緒に考えたりした。その結果,体脂肪率などその場の測定値をもとに自分自身の生活を具体的に振り返る例があった。また,研究者と関係を積み重ねる中で「受診をしよう」という気持ちに至るなど,健康行動に変化を起こすきっかけとなった例もあった。さらに,活動の中で提供していた「塩」や「血圧手帳」がきっかけとなり,含嗽や血圧測定が習慣化される例もあった。定期的で継続的な関わりが,野宿生活者の健康への意識を高め,健康行動の変化を起こすきっかけになるばかりでなく,その人なりの健康行動の獲得につながった。 2.健康支援活動の評価アンケートの実施:実際に健康支援活動を利用したことあり,研究協力を得られた人に対し,(1)健康状態(2)利用状況(3)健康に対する意識や行動の変化(4)活動に対する要望について,アンケート調査を行った。自身の健康行動に変化があったと答えた人は23名(有効回答31名),なかったと答えた人は5名であった。変化があった内容は「体調に気を使うようになった」「うがいの習慣がついた」「体調が悪いことを相談するといろいろ教えてもらえ,病院にかかりやすくなった(症状を言いやすい)」などであった。また「話を聴いてくれたことで,元気になる。明日につながる」という声もあった。このことから,研究者の行った支援活動は,健康行動の変化だけではなく,その人の生きる力を支えることにもつながったと言える。
|
Research Products
(1 results)