2007 Fiscal Year Annual Research Report
短期的な変動も検出可能なトラヒックマトリクス推定技術の開発
Project/Area Number |
19800023
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大下 裕一 Osaka University, 大学院・経済学研究科, 助教 (80432425)
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Keywords | トラヒックマトリクス / 推定 / Simple Network Management Protocol / Netflow |
Research Abstract |
本研究では、異常検出にも適用できるほど短期的なトラヒック変動にも追随したトラヒックマトリクス推定を行う手法に関する検討を進めている。 本年度では、過去に異なる箇所で観測されたリンク使用率と現在のリンク使用率を用いて、短期的なトラヒック変動に追随したトラヒックマトリクスを正確に推定する手法の提案を行った。トラヒックエンジニアリング等によりルーティングが変更になった場合、ルーティング変更前後に観測されたリンク使用率を推定に利用することにより、推定に用いる情報を増やすことができる。また、負荷等の問題で、同時に一部の対地間のトラヒックしか観測できないような場合も、各時刻で観測する箇所を変化させ、それらの観測結果をすべて用いることにより、推定に用いる情報を増やすことができる。 しかしながら、そのような異なる時間の観測結果を用いて推定を行う場合、トラヒックの時間変動の影響について考慮する必要がある。そこで、提案手法では、対地間トラヒックが一般的に周期的に変動しているということを利用する。提案手法では、まず、過去の観測結果を用い、その観測結果に合致するように各対地間の変動をあらわす周期関数のパラメータを定めることにより、トラヒックマトリクスの長期変動の推定を行う。そして、推定された長期変動を現在の観測結果に合致するように補正を加えることにより、現在のトラヒックマトリクスの推定結果を得る。 シミュレーションにより、提案手法が、正確にトラヒックの短期変動にも追随した推定を行うことができることを確認した。
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