2008 Fiscal Year Annual Research Report
時空間伸縮可能な逐次的自己組織化写像に関する研究と実時間人体姿勢計測への応用
Project/Area Number |
19800028
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
島田 敬士 Kyushu University, システム情報科学研究院, 助教 (80452811)
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Keywords | 自己組織化写像 / 追加学習 / 想起 / モーションキャプチャ / 動作認識 |
Research Abstract |
本研究の目的は自己組織化写像(SOM)の新たな学習法を確立し,実時間モーションキャプチャシステム(MCS)の頑健化を応用事例として提示することである.本年度は,以下の研究成果が得られた. 1.昨年度に開発したSOMの追加学習法をより多くのデータに対して適用し,システムの耐久性をテストした.以下の2で述べるオンラインMCS上でも十分に稼働することが確認できた. 2.ステレオカメラから成るオンラインモーションキャプチャシステムを構築し,人体の特徴点追跡の頑健化のためにSOMを利用した.具体的には,特徴点追跡に成功しているときはSOMに特徴点情報を追加学習させ,一方で特徴点追跡に失敗したときは,SOMが追加学習した過去の事例から類似データを想起させることで,特徴点追跡を継続させる仕組みを確立した.特徴点追跡に成功しているかどうかは,特徴点追跡手法のひとつであるパーティクルフィルタの尤度を利用して判定を行った.実験により,SOMがMCSの頑健化に利用できることが確認できた. 3.SOMを階層的に配置することで,効率よく動作の学習ならびに認識を行う手法を開発した.具体的には,階層化されたSOMにおいて,最下位層のSOMでは,動作の最小構成要素である姿勢を学習させた.つまり,SOM上の個々のニューロンは,姿勢情報を記憶していることになる.この最下位層のSOMに動作構成する姿勢を連続的に入力すると,各姿勢に最も類似した情報を記憶したニューロンが次々と活性化する.この連続した活性化パターンを動作を表すパターンとして,上位の層に配置されたSOMに学習させることで,動作認識を可能にした.本手法の利点は,動作長が異なるパターンが入力されても,その動作をSOM上のニューロンの活性化パターンとして表現できるため,動作長に影響を受けずに動作認識を達成できる点である.本手法の有効性は,実際の動作認識実験でも確認できた.
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Research Products
(5 results)