2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19800039
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
伊藤 勝敏 Health Sciences University of Hokkaido, 歯学部, 助教 (50433438)
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Keywords | 骨形成タンパク質 / BMP-2 / ヒト / 歯髄 / 再生 |
Research Abstract |
実験Iヒト歯髄組織を抜去歯から採取し、採取した歯髄組織からtotal RNAを抽出したのち、逆転写酵素を用いてcDNAを作製する。作製したcDNAを用いてPCRをおこない、BMPを含めた硬組織再生因子の解析をおこなう。 結果この実験において、ヒト歯髄組織にはBMP-2,BMP-4,BMP-6,BMP-7の各BMP遺伝子が存在することを確認し、さらにALP,OPN,OCN,DSP,MGP,DSP-1,MSX-2といった硬組織関連遺伝子が発現していることを確認した。 実験IIヒト歯髄組織を抜去歯から採取し、採取した歯髄組織を用いてSDS-PAGEによるタンパク質分布の解析をおこなう。また、組織再生因子の抗体を用いてウェスタンブロッティングをおこない、硬組織再生タンパク質の発現状態を解析する。 結果この実験において、ヒト歯髄組織中のBMP-2,BMP-4,BMP-6,BMP-7,およびOPN,OCN,DSPの各タンパク質を検出したが、いずれも既知の値より高い分子量を示した。 実験III組織再生因子のタンパク質認識配列部(CDS)をtagベクターへ組み込み、発現させた融合タンパク質を用いて、実験IIと同様にSDS-PAGEとウェスタンブロッティングをおこない、発現状態を解析する。 結果この実験において、BMP-2タンパク質は成熟型よりも大きな分子量の前駆体で存在している事が判明した。 実験IV前駆体で存在するタンパク質を、プロテアーゼを用いて、意図的にプロセッシング可能かを解析する。 結果発現した融合タンパク質をプロテアーゼであるFurinを用いてプロセッシングさせたところ、いくつかのステージを経て成熟型となった。以上の結果より、ヒト歯髄組織中のBMP-2タンパク質は前駆体の状態で存在することが証明され、何らかの刺激において成熟型に分泌されることが示唆された。
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Research Products
(2 results)