2008 Fiscal Year Annual Research Report
アンギオテンシン変換酵素のもつ新規アミロイドベータ蛋白分解・変換作用に関する研究
Project/Area Number |
19800040
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
鄒 鶤 Iwate Medical University, 薬学部, 助手 (40450837)
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイドベータ蛋白 / アンギオテンシン変換酵素 / Aβ変換 / プレセニリン / インテグリン |
Research Abstract |
我々は、アンギオテンシン変換酵素(ACE)がAβ42をAβ40へ変換すること(Aβ変換活性)を見出した。また、ACE阻害剤であるカプトプリルをAPPトランスジェニック(Tg2576)マウスに長期投与したところ、Tg2576マウス脳において、Aβ42の沈着が著明に増強されることを判明した(Zou,et al,J Neurosci,27:8628-35,2007)。ACEのもつAβ変換活性をin vivoで明らかにするために、ACEノックアウト(ACEko)およびAPPトランスジェニックマウス(Tg2576)を用いて、ダブルトランスジェニックマウスを作成した。平成20年度は、Tg2576・ACE(+/-)マウスの脳において、Aβ沈着増加の傾向が確認された。しかし、Tg2576・ACE(-/-)マウスは、死亡率が高く、十分な数を得られなかった。マウスの生存率を改善するために、PDGFhAPPマウスとACEkoマウスの交配を開始した。 ACEは、細胞外に2つのメタロプロテアーゼ活性ドメイン(N端側ドメインとC端側ドメイン)を持つことが知られている。我々は、ACEのAβ変換活性ドメイン及びangiotesin I変換活性ドメインを明らかにした。N端側ドメインがAβ変換活性を持ち、C端側ドメインがangiotesin I変換活性を持つことを判明した。さらに、ACE阻害剤が異なるAβ変換阻害活性を持つことを判明し、ACEの糖鎖修飾がAβ変換活性に必要であることを見出した(Zou et al,論文投稿中)。以上の結果から、ACEドメイン特異的な阻害剤の開発が可能であることを示唆した。
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