2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19800044
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
久保 淳人 Waseda University, 理工学術院, 助手 (10454026)
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Keywords | ソフトウエア工学 / 情報検索 / ソフトウェアパターン |
Research Abstract |
[研究目的]ソフトウェアパターン(以下パターン)とは、ソフトウェア開発で頻出する課題に対する制約条件を考慮した解法の記述である。パターンを用いることで、熟練技術者が持つ軽験則を明文化し共有できるが、パターン数の増加に対して適切に利用支援がなされていない。研究代表者は、計算機を用いたパターン集合の利用支援手法を提案する。 [研究方法]第一に、パターンが扱う問題の抽象度測定法を提案した。パターンが扱う問題領域の抽象度は幅広いため、分類なしには利用が困難である。研究代表者は、パターン間の参照関係から、各パターンについてパターン集合中の相対的な抽象度を算出する測定法を提案した。第二に、文書クラスタリングを用いたパターン分類手法を提案した。大規模なパターン集合は人手による分類が困難であるため、パターン分類者は提案手法を用いてパターン集合の規模を削減することができる。第三に、セキュリティ関連のパターン集合について、既に提案したパターン間関連分析手法の適用と評価を行った。第四に、既存のパターンについて必要なデータベースを構築した。 [研究成果]第一に、異なる抽象度を持つ2つのパターン集合を合成したパターン集合に提案測定法を適用した結果、提案測定法を用いることで熟練者の理解に近い抽象度値を得られることがわかった。第二に、研究代表者は、著名なパターン集合について文書クラスタリングを用いたパターン分類手法を適用した。その結果、当該パターン集合の著者らによる分類に類似した構成を持つクラスタ群を自動的に得ることができた。第三に、パターン間関連分析手法を用いることで、人手では手間のかかる、複数の著者によるパターン集合についてのパターン間関連を自動的に分析した。第四に、約300個のパターンの全文を収録したフルテキストデータベースを構築した。 この成果は平成20年度の研究で分析対象として用いる。
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