2007 Fiscal Year Annual Research Report
eラーニング時の学習環境が学習者の能動的学習行動に及ぼず影響に関する実証的研究
Project/Area Number |
19800048
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岸 俊行 Waseda University, 人間科学学術院, 助手 (10454084)
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Keywords | eラーニング / 学習者 / 能動的学習行動 / ノートテイキング / 学習環境 |
Research Abstract |
本研究は次の二点を明らかにすることを目的に行った。第一は、e-Learning中に学習者が行う能動的な学習行動に焦点を絞り、それらの学習行動が、学習を促進するという意味において真に有効な機能を有しているのか、第二は、e-Learningがもたらす学習環境の要因が学習行動にどのように影響を及ぼしているのかを実証することである。 本年度は、研究の開始年ということで、主に研究体制の方針の決定と整備を行った。具体的に、本年度に行ったことは以下の2つである。1つ目は、研究の方向性を明確にするために、類似するe-Learning環境を用いた実験(予備実験)の分析を行い、協力者がPC画面と向き合っている状態での不安とPCとの距離の測定に関する分析を行った。その結果、協力者の不安とモニタ画面との距離に関して、有意な関連のあることが明らかとなった。具体的には、不安の高い傾向にある人は、モニタ画面の後ろ側に座る傾向が見られた。このことは、PCを介した学習環境であるe-Learningの場において、個人の持っている特性によって、その学習行動に大きな違いがあることが示唆された。 また、本実験でのe-Learning環境の構築を行うための予備調査として、すでにe-Learningを4年間行ってきた学習者を対象とした、4時間程度のインタビュー調査を行った。その結果、e-Learningという環境における学習の場合、実際の対面の授業とくらべると、ノートのとり方が非常に詳細、多岐に渡ることが明らかとなった。これは、e-Learningという環境がインターネットと直接につながっていることに起因するのではないかと推察される。以上の点を踏まえて、より学習者の多様な行動が見れるようなe-Learning環境の構築を行った。
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