2008 Fiscal Year Annual Research Report
eラーニング時の学習環境が学習者の能動的学習行動に及ぼす影響に関する実証的研究
Project/Area Number |
19800048
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岸 俊行 Waseda University, 人間科学学術院, 助手 (10454084)
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Keywords | eラーニング / 学習者 / 能動的学習行動 / ノートテイキング / 学習環境 |
Research Abstract |
本年度は、2年にわたる研究の終了年ということで、前年度の予備調査によって明らかにされたことをもとに、e-Learningにおける学習環境の特徴を明らかにする研究を行った。前年度の研究により、e-Learning環境を用いることにより、かなり対面に近い環境を構築することが可能である反面、その効果が個人の持っている特性により大きく影響されることが明らかとなった。 本年度ではe-Learning環境での学習を行った学習者10名をキーインフォーマントとして、実際の学習時にとったノートをもとに、そのノートのまとめ方の分析を行った。さらに一人3時間程度のインタビューを実施した。分析の結果、以下のことが明らかとなった。10人のインフォーマントのうち、学習時にノートを取っていたのは8名であり、そのうち7名がPC上のソフトウエアにてノートを取っていた。そのため、ノートは、講師の話した内容を逐語的に書き写す形になっていた。また、インターネットを通じて配布された電子資料は、そのままファイルの該当箇所に貼り付けをすることにより保存されていた。このことよりe-Learning環境におけるノートは、講義内容そのものを再現する形になっているといえる。インフォーマントの中には、講義の動画を逐次とめ、講義と全く同じ内容をノート上に展開していた。これらのことは、繰り返し動画や資料を閲覧できるe-Learning環境における学習の特徴であるといえ、この点で対面での学習と異なるといえる。このことより、e-Learning環境下の学習の一つであるノートテイキングは、まとめること自体に意味があり、講義を止めたりしながら、分からないことや調べたものを丁寧にノートに記している過程で、再度学習しているといえる。このスタイルによっていつでも講義内容を一から把握しなおせるという点で理解度を維持していると推察できる。
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