2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19800056
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Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
加藤 佳子 Yasuda Women's University, 家政学部, 講師 (30435052)
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Keywords | 情動的摂食 / ストレス / 自己制御 / 文化間比較 / 偏食 |
Research Abstract |
オーストリアと日本の大学生の食行動、ボディ・イメージ・ストレス、BMIなどについて、比較検討し、次のような結果および考察が得られた。1.BMI:平均BMI値は、オーストリアの男子学生22.5、女子学生20.8、日本の男子学生21.0、女子大学生20.5であった。2.ボディ・イメージ:日本の学生は、オーストリアの学生に比較して、ネガティブなボディ・イメージを持っていた。また女子学生は男子学生に比較して、ネガティブなボディ・イメージを持っていた。日本の男子学生は、オーストリアの男子学生に比較して、大きくなりたいという欲求が強かった。日本とオーストリアの女子大学生のBMI値には有意な差がみられなかったが、日本の女子大学生はネガティブなボディ・イメージを強く持っていた。3.食行動:抑制的摂食、情動的摂食、外発的摂食について検討したところ、日本の学生は、オーストリアの学生に比較して、抑制的摂食、外発的摂食の程度が強かった。しかし情動的摂食については、文化差はみられなかった。そして男子大学生に比較して、女子大学生は、抑制的摂食、情動的摂食、外発的摂食のすべてにおいてその程度が強かった。4.ストレス:ストレスをもっとも強く感じているのは、日本の女子大学生であった。つまり日本の女子大学生のストレス対処方略について検討する必要性が最も高いと考えられる。日本の女子大学生が、高頻度に選択するストレス対処方略のひとつとして、食べること、つまり情動的摂食がある。本研究の結果から、日本の女子大学生の食行動に注目することが情動的摂食の自己制御に関する研究を進める上で、ひとつの有効な方向性であることがみいだされた。5.食行動の質的な側面にアプローチするために、ストレスを癒す働きのある甘味に対する態度について比較検討した。その結果、日本の女子大学生は、甘味に対するメリット感、接近動因が強かった。
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