2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19800056
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Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
加藤 佳子 Yasuda Women's University, 家政学部, 講師 (30435052)
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Keywords | 情動的摂食 / ストレス / 自己制御 / 文化間比較 / 偏食 |
Research Abstract |
情動的摂食を制御する要因として、ハーディネスについて検討するため、質問紙を作成し、その信頼性と妥当性について確認した。 次に女性を対象としてハーディネスと情動的摂食との関連について検討したところ、ハーディネスは、情動的摂食を制御する性格特性として位置付けることができることが示唆された。 また日本とオーストリアで行われているI型糖尿病の子どものためのキャンプの特徴について、比較検討した。 その結果、食事量の調整とインシュリン注射について、基本的な指導方法に相違がみられた。日本では、常に食事量を制御しながら、血糖値を調節する視点が、重要視されているが、欧米では、インシュリン注射の量を調節することによって、血糖値を調節する視点が重視されていた。つまり欧米では、食欲を尊重する方法で、指導が行われている。一方、情動的摂食の実態について聞き取り調査をしたところ、欧米の子どもでは、情動的摂取が生じやすく過剰摂取を制御することに難しさを感じているが、日本では、情動的摂食よりも摂食しないことによる低血糖を深刻にとらえていることが明らかとなった。つまり、食事量を日常的に制御する食生活を身に付けることによって、情動的な摂食も一定範囲内に抑えることができる可能性が示唆された。 先行研究では、摂食抑制は、かえって情動的摂食による過食を生じさせる要因となるとの先行研究があるが、必ずしもそうではないことが示唆された。食生活に対するコントロール感などを身に付けることによりハーディネスが高まり、情動的摂食をうまく調節できるのではないかと考えられる。
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