2008 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病患者に対する深部脳刺激による睡眠覚醒障害改善機序の解明
Project/Area Number |
19800060
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Research Institution | Tazuke Kofukai Medical Research Institute |
Principal Investigator |
西田 南海子 Tazuke Kofukai Medical Research Institute, 医学研究所第7研究部, 研究員 (80450237)
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Keywords | パーキンソン病 / 視床下核深部脳刺激 / 睡眠障害 / 脳幹REMスイッチ |
Research Abstract |
計7名の治療前後PSGにつき、睡眠生理学的データを国際基準(R&K法(Rechtschaffen and Kales,1968))に従い解析した結果、過去の報告と同様、DBSチューニング終了後に、睡眠効率、Total Sleep Timeの延長、睡眠構築断片化の改善が見られた。また、REM/non-REM期ともに延長するが、特にREM期の占める割合が増加し正常値とされる20-25%に近づくことが分かった。REM期を減らす一般的な睡眠薬に比べ自然な睡眠を引き起こしている可能性があると考えられた。特に、PD発症後比較的早期に手術となった対象に著しい増加があり、羅病期間の長さとREMの変化は有意な逆相関を示した。これは、ドーパミン投与量の減量効果よりも関連が強かった。DBS調整後のドーパミン減量が容易であるが故にREMリバウンドが起こっているとも考えられるが、神経変性があまり進行していないためにREM on/offに関わる神経系に影響が出やすい可能性もある。すなわち、視床下核DBSが直接脳幹REMスイッチに作用を及ぼしている可能性である。今後患者背景を詳細に解析し、症例数を積み上げるとともに、その機序を検討するため、PET・SPECTおよび髄液及び血清中の睡眠覚醒関連神経伝達物質の定量解析、更にPSGで得られた脳波の周波数解析なども利用してSTN-DBS刺激前後での睡眠覚醒神経系の活動性の変化を評価する予定である。
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