2007 Fiscal Year Annual Research Report
ライブセルイメージにおける特定オルガネラ領域の自動認識システムの開発
Project/Area Number |
19800062
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
竹本 智子 The Institute of Physical and Chemical Research, 生物基盤構築チーム, 研究員 (00450403)
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Keywords | 画像認識 / 領域抽出 / ライブセル / ノイズリダクション / パターン認識 |
Research Abstract |
ライブセルイメージング技術により取得した細胞の4次元ボリュームデータから、核、Golgi、mitocondria、Earlyendosome、Late endosome、Lipid Dropletの計6つのオルガネラと、tubulin、actinの2つの細胞骨格系の画像領域抽出法について検討した。また、細胞内の各オルガネラや細胞骨格系の相対的位置も細胞形態理解の上で重要な情報であることから、細胞質外形の自動抽出法についても検討した。 上記の目的のため本年度行った主な研究内容は1.ノイズリダクション、2.画像特徴の検討、3.識別手法の検討である。1のノイズリダクションは生細胞の撮影データを取得する場合、画像データは極めてノイズが多くなることから、Non-Local Mean Filter等を使用した撮影物の構造を考慮するノイズ除去法を用いた。2の画像特徴の検討については、特に共焦点顕微鏡ではない装置から取得したデータは、画像特徴として輝度に注目しただけでは自動抽出がうまくいかないことから、局所的なテクスチャ特徴などを用いた領域抽出法について検討した。3の識別手法の検討については、今年度は実装が簡単なK-nearest neighborを用いた教師付き識別やK-meansによるクラスタリングを用いて抽出精度を比較した。 以上の検討から上記全ての対象について、複数タイムラプスの自動抽出結果を得ている。この結果は所属研究室の研究員が検討している幾何学的レジストレーションの手法により1つに纏められ、ライブセルモデルとして3月に公開予定である。現在のライブセルイメージング技術では、上記に挙げたオルガネラを一度に観察することは不可能であることから、コンピュータ内に構築されるこの仮想ライブセルは今後の細胞生物学の研究に大いに役立つと考えている。なお、申請者が検討している自動抽出法は、現段階では対象により使用する画像特徴や識別器が異なることから、今後はそれらの自動選択について検討する必要があると考える。
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