2008 Fiscal Year Annual Research Report
新たな金融派生商品の評価モデルとその応用に関する研究
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19810002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八木 恭子 The University of Tokyo, 大学院・経済学研究科, 特任研究員 (80451847)
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Keywords | 金融工学 / 金融派生商品 / 資金調達 / 最適投資 / リアルオプション |
Research Abstract |
新たな金融派生商品の評価モデルとその応用に関して,最終年度の本研究はコールオプション条項付き転換社債の評価と転換社債における資金調達や有限期間を設定した企業の最適投資戦略についての理論的研究を中心に行った. コールオプション条項付き転換社債の価格付けモデルを最適停止問題として定式化することで,コールオプション条項が,転換社債の価格や最適政策に与える影響について議論し,投資家の最適境界の定性的な性質を導いた.また,三項モデルを用いた数値解法によって計算機実験をおこない,転換社債の価格や最適境界を視覚的に実現し,分析した.この研究成果をまとめ,日本オペレーションズ・リサーチ学会2008年秋季研究発表会(9月・札幌コンベンションセンター)およびINFORMS Annual Meeting 2008(10月・ワシントンD.C.)において報告をおこなった. 転換社債を発行することで資金調達をする企業の投資問題を取り上げ,価値評価モデルを構築した.企業価値を最大化することで投資を実行する企業は,普通社債よりも転換社債で資金調進を行うことで投資が遅くなるのに対し,株式価値を最大化する企業の投資政策は逆の結果となる興味深い結果が得られた.この研究成果をまとめ,2008年度第1回「数理ファイナンスセミナー」(5月・名古屋市立大学)およびThe 8th Annua1 Hawaii lnternational Conference on Business(5月・ハワイ),BACHELIER FINANCE SOCIETY 2008(7月・ロンドン)において報告をおこなった. さらに,有限期間内に株式と債券を発行することで,資金調達をする企業の投資問題を取り上げ,有限差分法を用いた数値解法によって,投資のタイミングや企業価値,資本構成について分析した.この研究成果をまとめ,日本リアルオプション学会2008年研究発表大会(11月・明海大学)および横浜国立大学・南山大学共同ファイナンスワークショップ(11月・南山大学),金融工学2008科研費研究集会(2月・北海道大学),日本オペレーションズ・リサーチ学会2009年春季研究発表会(3月・筑波大学)にて報告をおこなった.
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Research Products
(17 results)