2007 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン化によるDNA複製停止解除の制御機構の解明
Project/Area Number |
19810007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
茂木 章 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (80452332)
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Keywords | 組替え修復 / 複製後修復 / ユビキチン化 |
Research Abstract |
真核細胞は複製フォークのブロックを解除する仕組みを備えている。出芽酵母では、複製が阻害されると、ポリメラーゼ結合因子であるPCNAのリシン164(K164)がRad18(E3)-Rad6(E2)複合体によってモノユビキチン化される。モノユビキチン化PCNAは、乗り越え修復(translesion synthesis;TLS)を促進する。一方、Rad5(E3)-Ubc13-Mms2(E2)複合体が、モノユビキチン化K164をさらにK63型ポリユビキチン化すると、ポリメラーゼの姉妹染色分体の新生娘鎖への乗り換えを促進すると想定されている(template switch; TS)。我々はこれまでに、ヒトSHPRHが酵母Rad5の機能的ホモログであることを見いだした。本研究では、SHPRHと同様にSWI2/SNF2及びRINGドメインを持つHLTFが、PCNAのポリユビキチン化を介してTSを促進することを明らかにした(論文投稿中)。 TLS/TSによって解除されない複製フォークブロックは、相同組み替えによって修復される。我々は、脊椎動物UBC13は、酵母と異なり、組み替え修復においても重要な役割を持つことを明らかにした。これまでに、組み替え修復においてUBC13と供役して働くユビキチンリガーゼの一つとしてRNF8、基質の一つとしてヒストンH2AXが示唆された。しかし、組み替えに必須のリガーゼ、基質はなお不明である。そこで本研究では、RNF8に加え、RNF8と同様のドメイン構造を有するCHFR、RAD6と供役して働くと考えられるRNF20、ヒストンのユビキチン化に関与することの示唆されているHUWE1の各ユビキチンリガーゼに着目し、これらの遺伝子破壊DT40株を作製している。今後、これら細胞株の表現型解析を行うことにより、これらの組み替え修復への関与を検討する。
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