2008 Fiscal Year Annual Research Report
極域海洋における衛星と船舶観測を組み合わせた植物プランクトン群集分類手法の開発
Project/Area Number |
19810029
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
飯田 高大 National Institute of Polar Research, 研究教育系, 助教 (90455189)
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Keywords | 海洋科学 / 海洋生態 / 環境変動 / 地球観測 |
Research Abstract |
植物プランクトン群衆の違いによる炭素循環への影響を評価することは非常に重要である。本研究では、種が比較的単一であり植物プランクトン群集を類型しやすい極域海洋を例に、主に炭酸カルシウム殻を形成する円石藻類濃度と、珪藻類及びその他の小型植物プランクトン濃度を海色衛星による観測から分類する手法を開発することを目的として、海洋光学観測、HPLCによる色素分析、衛星データ解析を実施し、光学特性に基づく植物プランクトン機能種の分類手法の開発を試みた。 今年度は昨年度に引き続き第50次南極地域観測隊による南極海及び東京海洋大学海鷹丸による南極海航海において海洋光学観測及び植物プランクトンサンプリングを実施した。また、昨年度実施した植物プランクトンサンプルのHPLC色素分析及び顕微鏡観察を行い、植物プランクトン機能種の地理的分布を調べた。色素分析及びCHEMTAX法による機能種分類の結果、海氷縁辺ではハプト藻類優占海域とケイ藻類優占海域に分類された。種を同定するために顕微鏡観察を行い、ハプト藻類は円石藻類ではなく、主としてPhaeocystis sp.であることが明らかになった。ケイ藻類は様々な種が存在していたが、Thalassiosira sp.やFragilariopsis sp.の存在量が大きかった。本種は過去の知見からアイスアルジー由来と考えられる。 また、昨年度実施した光学観測データの解析を実施した。特に漂流ブイに設置したマルチスペクトルセンサーデータの解析を行った結果、440nmと510nm付近のリモートセンシング反射率(Rrs)比に海域による差が認められた。しかしながら、昨年度の観測結果のみでは十分な観測点数が得られず、ファジーによる分類には本年度の観測結果を加えて再度分類を行う必要がある。
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Research Products
(8 results)